まえがき
財団法人日本学校保健会では、昭和57年に「学校プール衛生管理委員会」を設置し、昭和60年2月に指導書「水泳プールの保健衛生管理」を発行いたしました。 その後、平成11年には、社会環境の変化や科学技術の進歩を踏まえ、プールの保健衛生管理の参考となるよう、改訂版「学校における水泳プールの保健衛生管理」を作成・配布しました。 一方、文部科学省は、「学校環境衛生の基準」のうち、水泳プールの管理について平成13及び16年に一部改訂を行い、平成19年7月には、平成18年7月に起きたプールでの吸い込み事故による「プールの安全標準指針」(平成19年3月文部科学省及び国土交通省)の策定及び「遊泳用プールの衛生基準」(平成19年5月28日厚生労働省)の改訂を受け、「学校環境衛生の基準」の一部改訂を行ってきました。 財団法人日本学校保健会では、このような改訂を踏まえ、学校でプールの保健衛生管理に役立つマニュアルとして改訂する必要があることから、平成19年に「学校におけるプールの保健衛生管理マニュアル作成委員会」を立ち上げ、マニュアルを作成することとしました。 なお、委員会設置後、平成20年6月には、学校保健安全法が公布され、文部科学大臣が新たに「学校環境衛生基準」を定めることになりました。「学校環境衛生基準」では、水泳プールについても、「学校環境衛生の基準」の内容が整理されたことから、委員会ではこのような改訂にも対応したマニュアルを作成していただきました。 委員会は、教育、公衆衛生に関わる研究者、眼科医、行政担当者、学校薬剤師、教員からなる委員により構成され、活発な意見交換のもと、改訂作業が行われ本書を作成するに至りました。 このマニュアルが学校で幅広く活用していただければ、委員の皆様が熱心に取り組んでこられたこの成果が実り、子どもたちの送る学校生活がより一層「安全・安心」なものとなることと自負しております。 終わりに、委員長の鬼頭英明先生をはじめ委員の皆様方のほか作成に御協力頂きました皆様に御礼申し上げます。
平成21年5月財団法人日本学校保健会会長唐沢人