~事前準備が最も重要、1人の時点ですぐ対応が合い言葉~
おわりに
国を挙げた麻疹対策が始まりました。2007年12月28日には、麻疹に関する特定感染症予防指針が告示され4)、2008年2月12日には、第一回目の国の麻しん対策推進会議が厚生労働省で開催されました。会議の中で、「世界に対する約束」という言葉が委員から発言されましたが、2012年までの国内からの麻疹排除eliminationに向けて、国民が一丸となって取り組むことが宣言されました。全国47都道府県に麻疹対策会議を設置し、都道府県毎の積極的な麻疹対策も求められています。文部科学省からも、対象者全員に向けたリーフレットの準備や学校でのガイドラインの策定が予定されていることなどが発表されました。国民全員が、「はしかゼロ」をめざして、学校でも積極的な麻疹対策が必要であると考えます。新型インフルエンザ対策の重要性が高まっている現在、麻疹対策は、他のすべての感染症対策にも繋がります。国立感染症研究所感染症情報センターでは、保育所・幼稚園・学校等における麻しん対応ガイドライン第二版をホームページに公開しています(http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/school-ver2.pdf)5)。事前準備は多くの子どもたちと職員を救います。新学期は事前準備で始まって欲しいと念願しています。
参考文献
1) National Immunization Program, Centers for Disease Control and Prevention : Measles. 10th Edition of Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases, 2007
2) WHO Department of Immunization, Vaccines and Biologicals, Geneva : Measles. fact sheet. Revised January 2007. URL: http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs286/en/
3) 国立感染症研究所感染症情報センター:麻疹の現状と今後の麻疹対策について.2002.10.
4) 厚生労働省:麻疹に関する特定感染症予防指針
5) 国立感染症研究所感染症情報センター:保育所・幼稚園・学校等での麻疹対応ガイドライン第二版.2008年2月現在URL: http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/school-ver2.pdf 国立感染症研究所感染症情報センター 多屋馨子
http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html
2012年の麻疹排除(Elimination)を目標に、2007年8月厚生労働省において、わが国における「麻疹排除計画」が策定されました。これを機に、麻疹排除に向けた本格的な取り組みが国民ひとりひとりに求められています。