2008年4月1日から、中1,高3相当年齢の人は、麻疹と風疹ワクチンを受けましょう
~事前準備が最も重要、1人の時点ですぐ対応が合い言葉~
2008年4月1日から、中1,高3相当年齢の人は、麻疹と風疹ワクチンを受けましょう
2007年春の流行を受けて、2008年4月1日から5年間の時限措置として、中1および高3相当年齢の人は、麻疹風疹ワクチンを法律にもとづいた定期予防接種として受けられるようになりました。これまでに1回もワクチンを受けていない人は勿論、幼児期に1回受けた人も全員が受けることになります。麻疹あるいは風疹のどちらか一方だけにかかった人も、麻疹風疹混合ワクチンの接種が受けられるようになりました。費用については、通常であれば1万数千円の自己負担が必要な麻疹風疹混合ワクチンの接種に対して、対象の1年間に限っては、お住まいの市町村(特別区)が、接種費用の全額あるいは一部を負担してくれます。 1歳になったらすぐのワクチンが最も重要ですが、受けそびれて2歳以上になってしまっている場合は、大至急受けておきましょう。この場合は、任意接種になりますので全額自己負担になります。
2008年度小学校入学前1年間の幼児は、2回目のワクチンを定期接種として受けることができます。この1年間は、お住まいの市町村(特別区)が接種費用を負担してくれますので、忘れずに受けましょう。
2008年度小学校1年生と2年生の人は、既に2回の接種が行われていると思いますが、受けそびれている人は、早急に2回のワクチンを済ませておきましょう。この場合は、任意接種になります。2008年度小学校3年生から中学校1年生の人は、中学校1年生に相当する年度の1年間に定期接種として受けることができます。この年代で、まだ1回も受けたことがない人は、任意接種で早急に1回接種し、中学校1年生に相当する年度に2回目のワクチンを受けましょう。
2008年度中学校2年生から高校3年生に相当する年齢の人は、高校3年生に相当する年度の1年間に定期接種として受けることができます。この年代で、まだ1回も受けたことがない人は、任意接種で早急に是非1回接種し、高校3年生に相当する年度に2回目のワクチンを受けましょう。
2008年度高校を卒業している年齢の人は、定期接種の対象になりません。しかし、麻疹の重症度は高く、2008年春の流行は確実な状況となっていますので、任意接種であっても接種を受けておくことが推奨されます。
妊娠中に麻疹を発症すると、流産や早産に繋がることがありますので、妊娠する前に麻疹に対する免疫があるかどうかの確認は是非受けておくことが勧められます。風疹に対する免疫をもっていない人も同じ年代に多く存在していますので、妊娠を考慮する年齢の女性には妊娠前に麻疹風疹混合ワクチンの接種を受けておくことが推奨されます。予防接種を実施する場合の注意点として、妊娠していないこと、妊娠している可能性がないことについて十分な予診をつくすことが重要です。また、予防接種後は2ヶ月間妊娠を避けるよう指導することも重要です。
最後に、中1、高3相当年齢の者への接種にあたっては、保護者の同伴条件の緩和が認められています。保護者の書面での同意が必要ですが、接種に際しての注意事項が盛り込まれた説明書と、保護者が同伴しない場合に使用する予診票が例示されています。また、保護者が同伴する場合あるいは既に結婚している場合も別の予診票が例示されていますので、これらの予診票を使用して、接種前の体調は十分に把握し、たとえ緊急接種で接種する場合においても、接種不適当者に接種してしまうことがないよう、十分な注意が必要です。また、接種後の体調観察は確実に行い、気になる症状があった場合は、速やかに医療機関に相談するよう指導することも重要です。
つづく
国立感染症研究所感染症情報センター 多屋馨子
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http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html
2012年の麻疹排除(Elimination)を目標に、2007年8月厚生労働省において、わが国における「麻疹排除計画」が策定されました。これを機に、麻疹排除に向けた本格的な取り組みが国民ひとりひとりに求められています。
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