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学校組織体制で取り組んでいるノロウィルス対策

新潟県長岡市立阪之上小学校
養護教諭 岸 美貴
会報「学校保健」269号H19.11月号掲載)

実践事例報告

 昨年末より、ノロウイルスが集団発生したという報告が、全国ニュースで度々聞かれた。ノロウイルスは、ウイルス保菌者が下痢や嘔吐によってウイルスを汚物とともに排出し、その汚物を適切に処理しないまま放置することで、感染が拡大するというものである。当校では、ノロウイルスが、全国的に大流行する以前から、ノロウイルス対策の徹底を図ってきた。

汚物処理グッズの活用

 汚物を、どの職員も適切に処理できるよう、汚物処理に必要なグッズを揃えてすぐに使えるように各教室や必要箇所に配置した。また、年度始めには、グッズの点検・補充と、職員への汚物処理の使用法の再確認を行っている。このことにより、いつ、どんな場面においても、その場に居合わせた者が適切に処理できるようになっている。

 

児童への指導

 学校医や学校薬剤師の指導のもと、ノロウイルスについて児童へ説明し、感染予防のために、うがいや手洗いを欠かさず実施している。また、学校のトイレで下痢をしてしまった場合には、必ず担任教師に報告するなどの指導も行っている。

トイレやドアノブなどの衛生管理

 ノロウイルスは、保菌者がトイレで下痢などをし、ウイルスのついた手でトイレのドアノブや水道の蛇口を触ることで感染すると言われている。そこで当校では、罹患者の有無に関わらず、ノロウイルスが流行する冬期間中、毎朝、養護教諭がトイレの便器やドアノブを次亜塩素酸で消毒殺菌している。また、学校管理員からは、トイレの清掃をこまめに実施してもらったり、教室の出入り口の取っ手を消毒してもらったりなどの配慮を行っている。

給食への配慮

 ノロウイルス予防のために、学校薬剤師の指導のもと、学校栄養士との連携を図りながら給食への取組を行っている。

(1)配膳前の台ふきんの消毒をそれまでのオスバンから、ノロウイルスに対する殺菌効果の高い次亜塩素酸に変えた。

(2)罹患者がいる学級の食器は全て別に扱い、洗浄や消毒も別に行う。

(3)冬期間は、給食調理員が児童から食器などの返却を受ける際にはマスクを着用し、感染防止に努めている。

(4)食器などを入れて運ぶコンテナのキャスターは、必ず次亜塩素酸で消毒してから給食室へ入れるようにしている。

感染拡大防止のための職員による清掃

 学校で下痢や嘔吐する児童が出た日の放課後、全職員で、校舎内の清掃と消毒を徹底して行った。組織的な予防・初期対応、事後対応の徹底がポイントである。

掲載日時:2014/01/28