3.アドレナリン自己注射(エピペン®)の使用について
3.アドレナリン自己注射(エピペン®)の使用について
3-1もし、間違って打ってしまったら…
アドレナリン自己注射は、登録医から処方されるもので、2011年9月から保険診療が適応となりました。
学校(幼稚園)や保育所では、ガイドラインでも示されている通り、緊急の場合に居合わせた関係者が、自己注射ができない状況にある本人に代わって注射することは人道上許されるということになっています。しかし、現場では、ガイドラインが発行されてからも、抵抗が大きいようで、なかなか取組がすすんでいないのが実状のようです。
その多くの方々が危惧されていることに、間違って打ってしまった場合やその時の責任問題があるということなのですが、もし、間違って打ってしまった場合でも、通常は問題がないとこれまでの研究や調査から言えるようになってきました。
アドレナリンは元々体内でも副腎髄質より分泌されるホルモンで、また、神経節や脳神経系における神経伝達物質でもあって、血中に放出されると心拍数や血圧を上げる働きがあります。エピペン®の使用でこれまで有害事象は数%報告されていますが、すべて自然回復しています。間違って打っても15分程度で元に戻りますので、比較的安全性の高い薬剤といえます。
3-2エピペン®の使用
エピペン®を使用するタイミングは、1-5で述べた通りですが、注意点としては、できるだけ早期に、呼吸器症状出現時には投与するようにしてください。注射部位は大腿外側広筋または上腕三角筋です。注射後、10〜15分で症状に改善がみられない時は追加投与が可能です。再三になりますが、ここで大事なのは「迷ったら打つ」ようにしてください。その後、専門の医療機関を受診(必要なら救急車を使用)させてください。