第2回「プール時の保健指導・管理」

プールカードの活用

並木 次に実際にプール授業が始まった時には、朝の健康観察が重要なようです。朝、各担任の先生が教室にいる場面で健康観察がなされているのか、その指導はどのようにされていますか。

富永 子どもたちの健康状況のチェックということで、担任の目、養護教諭の目はもちろんですが、保護者との連携に気を遣っています。千葉県の小学校の場合、健康観察カードとかプールカードというものを作って、保護者の判断も仰いでいます。カードにはその児童の平熱を記入してもらって、次にその日の体温、せきや鼻水の具合、眼や耳に症状があるのかとか細かく項目わけしているところを保護者が記入して、保護者にその日の授業の参加が可能かどうか判断してもらって児童に学校に持たせます。それを担任と養護の先生が見て最終的にその日の指導ができるか判断しています。場合によっては保護者がOKしても学校に来て、具合が悪そうなら担任の最終判断が変わる場合があります。プール指導は大きな事故にもつながるので連携を徹底するよう配慮をしています。

並木 私が学校にいた頃なので古い話ですが、初めて家庭で検温してくるようにしたところ、いちいち学校が保護者にそこまで要求するのか、要は事件事故が起こったら学校は責任を逃れたいからだろうと突き上げられた経験がありましたが、いまは協力が得られていますか。

富永 いまはそれほど極端な方はいません。検温やプールカード使うことは当たり前になっています。子どものためにやっているということで浸透しているのではないでしょうか。

並木 いまは徹底しているということですね。

富永 徹底はしています。ただ、カードを使うにあたっての課題がありまして、保護者の判断を主としているのですが、徹底しているがためにプールカードに保護者の印やサインがないとプールに入れさせていません。そこで、児童が前日に学校に忘れてしまった場合など、連絡帳で代替したり、保護者からの電話があればまだいいですが、連絡がない場合、プールに入らせなくて後になってトラブルになる場合があります。

並木 そのようないろいろ課題もありますが、それでもおおむね保護者との連携はうまくいっているということですね。永田先生はいかがでしょうか。

永田 保護者の方は協力的ですがいろいろな考え方がおありなので、小学校のように継続してやるのは大変だと思います。中学校でのプール指導は保健体育教科の中の時間ということで限られています。生徒が授業を欠課した場合、担任、教科担任、養護教諭で判断した場合もあります。が、保護者が欠課届けを本人に持たせる場合もあり、養護教諭がすべてに関わるわけではありません。本校では毎日検温することは行っていません。